ゆきてくのデジタルしんぷるライフ

デジタルミニマリストを目指している30代。 知識の応用とデバイスの活用で、健康的で便利な生活を模索中です。

【誰トク読書感想文】#8 スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

こんにちは、ゆきてくです。

今回で誰トク読書感想文の8回目になります。

ずっと読書は続けているのですが、記事をアップするのは久しぶりです。

久しぶりでどうやって書けばいいのか忘れてしまっていましたよ...。

今回も、個人的に学びになったことや印象に残ったことをランキング形式でまとめました。

さて今回の本はこちら。

スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 です。

著者は、谷川嘉浩さん。

大阪経済法科大学や京都私立芸術大学などで講師の仕事をされているそうです。

大学の講師ということは、論文なども発表していると思うので、研究者になるんですかね。

経歴を見ると、デザインや絵について直接学んだところはなさそうですが、内容的にメディア論を教えているのかもしれません。

3位 碇シンジと私たちは似ている。

新世紀エヴァンゲリオンを見ていないとわからない話になりますが、主人公のシンジは高いストレス環境下で柔軟な変化を求められますよね。

敵(使徒)は毎度、形や攻略法が異なり、前回の手法が通用しない。

常に成長を求められるが、誰も心のケアはしてくれない。

失敗は許されず、仲間とも競い合わされる。

「やるべきこと」として、仲間を傷つける決断を迫られ、できないと罵られる。

環境が改善される見込みはなく、誰も助けてくれません。

カセットの音楽を繰り返し聞くことで、メンタルを保ちながら何とか頑張るけど、限界が来ると「逃げるの?」の追い討ち。

そりゃ、メンタルにトラブルがあっても仕方ないよねって思うのですが、

これって自分たちと被るところないか?

って話です。

シンジと私たちでは責任の重さは違えど、似た環境下にいるので、メンタルヘルスに何かあっても不思議ではないと思いました。

2位 何もかも個人の責任にされる異常な環境。

本当に社会や環境に原因があったとしても、何もかもが個人の問題として扱われやすいと書かれていました。

現代はメンタルヘルスに影響を及ぼしやすいです。

無理をし続けると、「うつ」や「適応障害」などになったりすると思いますが、メンタルヘルスの異常を「脳内物質が原因」として、薬でコントロールしようとします。

カウンセリングという方法もありますが、どちらもなぜか個人に対しての改善策ですよね。

よく考えてみると、会社でメンタルチェックのテストみたいなものがありますが、あったとしても受診を勧められるはずなので、確かに個人の問題にされるように思います。(社内や身の回りの環境に問題があったとしてもね...)

程度の問題はありますが、何もかもが個人の責任というようになってしまうと、「何もかも自分が悪い」「自分で、自分で...」という発想につながりやすいなと思いました。

メンタルヘルス的には危険なように思いましたね。

ちなみに、「このような考え方の環境は、一体誰に都合が良いのか考えてみてもいいかもしれない」とも書かれていました...。

1位 自分が変われば、変わるという謎の自己啓発。

私にとっては、一番印象に残ったところであり、学びになったところでもあります。

現在の社会は、フレキシブルに状況変化に適応することや常に成長を求めてきますよね。

「出来ることを増やさなければ...」

「自分が変わらなければ...」

「もっと努力しなければ...」

と考えることは多いのではないでしょうか。

そう考えないとやってられないところもあると思います。

私もそのように考えがちなのですが、それらは構造的に、メンタルにトラブルを生み出しやすいとのことです。

しかも、「自分が変われば、必ず変わる」という謎の自己啓発が蔓延しているだけでなく、多くのことが個人の問題とされ、自分を追い込みやすいとも書かれていました。

何事も「自分ごと」で考え、「自分が頑張れば、変われば」の精神は大切ですが、現実的に自分ではないところに原因があったりしますし、過度に考えてしまうことはやめた方がいいことを学びました。

最後に

このような環境ですが、著者のアプローチとして、

「趣味を通じて孤独を作り出すこと」

が有効だと書かれていました。

この趣味というのがポイントで、好きなことをやればいいのですが、特定の条件を満たしているかどうかが重要でした。

孤独というのも、ただひとりになればいいという単純なものではなかったです。

難しい内容に思いますが、エヴァQのシンジとカオルが行ったピアノの連弾をモチーフに解説されており、わかりやすかったですよ。

個人的に、人生、仕事、趣味の持ち方など色々と勉強になったのでおすすめです。

気になる方は、本を手に取って確かめてみてください。